久米靖

2021.08.29

美術展探訪⑦ 『きりえや夏の偽本まつり』

みなさん、おはようございます!
Cast Poser Next所属の久米靖です。

『きりえや夏の偽本(にせぼん)まつり』に行きました。

「偽本」とは、きりえ画家の高木亮氏の作った「着せれば別の本に見えてしまう」パロディブックカバーです。

ブックカバーなので中のページに相当するものはありません。
実在する本らしく見せかける」ため、帯部分にコピー(ツッコミ)や嘘のあらすじなどを配しています。

タイトル自体がネタになっているのですが、単なるパロディではなく、そのタイトルやブックカバーの絵が切り文字・切り絵で制作されているのがポイントです。

裏表紙には、本の内容や社会的評価などをもっともらしく綴った嘘の解説がなされています。
例えば、以下のような具合です。

■浦島だろう?(元ネタ:『浦島太郎』)
・帯のコピー:そうなんだろ!?
・あらすじ:
「浦島……だろう?」一瞬にして老人の姿となり愕然とする太郎に声をかけた更に皺くちゃの老人。彼こそ齢百を超える村の生き字引、かつて亀をいじめて太郎に諭された子供の生き残りだった。
たった一人の自分を知る者との再会。親友となったふたりは、残りの人生を悔いなく過ごすため、<死ぬまでにしたいことリスト>を作りそれを片端から果たすことに決める。
「わ、わしゃあ豪華な屋敷で美人に酌をされてみたい!」
「いやあ、そういうのはもういいよ~」

作品を見ながら、思わずくすくす笑ってしまいました(^○^)
他にも、以下のような傑作がずらり。

■長靴をかいだ猫(元ネタ:『長靴をはいた猫』)
・帯:嗅ぐんじゃない!!

■アンナ、カレーにな・・・(元ネタ:『アンナ・カレーニナ』)
・帯:何をいれたんだ?

■ジキル博士と毎年(元ネタ:『ジキル博士とハイド氏』)
・帯:どこへ行く?

■最低2万はいる(元ネタ:『海底2万マイル』)
・帯:うじゃうじゃ。

■はしたない物語(元ネタ:『はてしない物語』)
・帯:いやですこと

■母をたずねて三千人(元ネタ:『母をたずねて三千里』)
・帯:殺到!!

■ヒルマの賭事(元ネタ:『ビルマの竪琴』)
・帯:いいから帰ってこい!

こういうセンスって、なんかいいですよね♪

池袋のジュンク堂書店で9月5日まで開催されています。

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