久米靖

2021.08.14

美術展探訪⑥ 『聖徳太子と法隆寺』

聖徳太子1400年遠忌記念特別展『聖徳太子と法隆寺』を観に行きました。

日本に仏教を広めるとともに、冠位十二階や十七条憲法など、以降の歴史の礎となる事業を推し進めた聖徳太子。

今年は聖徳太子1400年遠忌(おんき)。
これを記念し、太子にゆかりのある様々な宝物が一堂に集結した展覧会です。

会場に入るとすぐに出迎えてくれたのは、『聖徳太子二王子像』。
1980年代まで一万円札の「顔」となった聖徳太子のイメージです。

他にも、貴重な作品が目白押し。
太子が死後に赴いた華麗なる浄土世界を描き、日本最古の刺繍とされる『天寿国繍帳(てんじゅこくしゅうちょう)』。
平安時代、聖徳太子500年遠忌に造られた『聖徳太子坐像』などなど。

様々な年齢の聖徳太子像があるのですが、そのきっかけは平安中期に太子の超人的な活躍を描いた『聖徳太子伝暦(でんりゃく)』が成立したことだそうです。

伝記には年齢ごとに太子の業績が書かれているため、その時代の信仰と相まって各年齢の像がクローズアップされるようになったそうなのです。

法隆寺に関連しても、国宝『薬師如来坐像』、日本最古の四天王像など重要な作品を観ることができます。

会場では音声ガイドを借りて、じっくりと観ました。
音声ガイドのナビゲーターは女優の杏さん。数ヶ月前、ドラマの撮影現場でご一緒しました。

ボクの世代ですと、前述のように一万円札・五千円札ともに肖像画が聖徳太子でしたので、「何かスゴい人」というイメージを子供の頃から持っていました。

今回、「何がどうスゴかったのか」をあらためて学ぶことができました。

9月5日まで、上野の「東京国立博物館 平成館」で開催されています。

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