土方博之
2026.02.17
レッスンのご利益
普段のレッスンも思わぬところで役に立つものだ。ご利益を感じたのは演劇舞台のオーディションの時だった。実技課題のひとつに、3種類のナレーションを読むことが提示された。10分間の確認時間をもらった後で演技に入る。3種類の課題があるのだから何かの意図があるはずだ。だが、その意図は明かされない。
先ずは台本を黙読することから始める。読めない漢字や意味のわからない言葉の確認をした。何点かわからなかったので確認をした後で、声に出して読んでみた。噛んでしまったり、滑らかに読めないところがあったので読み方の調整をする。課題文はA4サイズの1枚ものだったが、ここまでですでに7分経ってしまった。だが、まだ出題の意図は見えてこなかった。日本語を正確に読むだけだったら誰にでも出来るだろう。だからオーディションを勝ち抜ける気がしない。だんだんと焦りが出て来たので、気持ちを落ち着けようと大きく深呼吸をすると、声優のレッスンで先生が言っていたことが思い浮かんだ。
ナレーションの読み方はいろいろな読み方がある。「事実を提示して、聞く相手にイメージをわかせる読み方」「芝居のように物語を語る読み方」「特定の人物に語りかける読み方」・・・など。
これだと思った。3種類のナレーションは、同じナレーションでも目的が違う文章なのだと。この出題の意図がわかったら、スッと心が落ち着いた。そして、目的に応じた読み分けが出来たように思う。
オーディションの結果がどうなるかはわからないが、普段は何気なく受けているレッスンも思わぬ時に活きてくるものだ。昨日はその有り難みを感じた。
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