宇賀神義人

2019.09.27

初めての現場

去年の今頃、あるドラマの撮影で初めてボランティアエキストラとして現場に出ました。その時に聞こえた声は、スタッフ間のやり取りだったかと思いますが、何やらもめていたようで「なに考えてんだよ!もういいから帰れ!」という内容の言葉でした。

厳しい世界だなと思いましたが、私は初めてでしたので緊張感いっぱいて、銀行に来たお客の役と通行人の役をスタッフの言われたままにこなすのがやっとでした。有名な俳優さん来ないかな?なんて思いながら。

それが一番最初の現場デビューでしたが、現場に出る回数を重ねてだんだん感じたのは、通行人も、その役を極めようと思ったら難しいことに気がつきました。

スタッフからは、歩く方向は伝えられても、その他には何の説明もないのが普通です。でも、ただ歩くだけなら小中学校の運動会で見られるような選手入場行進みたいになってしまいます。ところが実際は曜日や時間、場所などで歩いてる人は違いますし、歩き方、歩く目的も人それぞれ違います。そこをどう演じるかが通行人の役かと思います。

難しいのは、他の人の動きを見ながら自分は不自然にならないように、その瞬間で考えて違う動きをすることと、カメラの位置とキャストさんの位置を頭に想像して動かなければならなかったことです。

そんなこと撮影スタッフの誰からも言われません。言われないからこそ、そういう動きをすると素人集団のボランティアエキストラ内では目立つことになります。

撮影スタッフも見てる人は見てます。

現場って本当に勉強になります。

 

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