答え合わせ

ーはい、ありがとうございました。

お帰りいただいて結構ですよ。

先程まで鋭い視線を向けてきたかと思うと、突然突き放される。

ーありがとうございました！

大きな声で挨拶し、自分の存在をアピールするも結果は虚しく、手元の資料に目をやる彼らはこちらを見向きもしない。

うろたえていると直ぐに次の言葉が飛んでくる。

ーもうお帰りいただいて大丈夫ですよー。

嗚呼、終わってしまったのか。帰れってことだ。

必死で笑顔を見せるが、心の中では帰りたくないともがいていた。

しかし強制終了。

これがオーディションだ。

そうして終えたオーディションには答え合わせがなく、

何が正解だったのか、どうすれば良かったのか、どこが間違いで、何を改善したらいいのか…

何一つ教えてくれる事はない。

故に夜は眠れないのだ。

ああすれば良かったか、もっとこうした方が、いやでも、もしかしたらこうだったのかも…

悶々とした時が流れる。

考えても考えても、未だに答えが分からない。

この先分かるようになるのか、それすらも分からない。

だけどこの悶々とした時間は、考えるのが好きな私にとってはそこまで悪くないし、

この先の未来にはきっと、乗り越えた私がいるはずだ。

私は私を信じている。

今はとにかく必死で考えて、

何度でも何度でも、

挑戦し続ける。

キャストパワーネクスト所属

皆美色

蘇った夢