外山博美

2021.06.21

この頃

2020年になって、日本のみならず、世界中で蔓延した感染症。

一体誰がこんな未来を予想しただろうか。

常にマスクで顔を覆い、人との交流も最低限に抑えられ、消毒も欠かせない毎日。

あれから1年。思ったよりも長くこの抑制された生活が続いている。

でも今は、どうすれば感染しないか私たちは学んだし、またワクチン効果もあり、これから徐々に以前のような生活に戻るんじゃないかと。

また戻って欲しいと願う昨今。

呑気な私は、数年後には教科書に「コロナ感染症大流行」なんて年表に載るような歴史的な出来事に直面しているのだと思うと、毎日ドキドキしてしまう。

 

さて、私の特技というか、なんというか、どんな状況でさえ楽しみを見つけることができるというポリアンナ的思考がある。

私たちが生業にしようとしているエンタメ業界も大きな打撃を受けた。

観たいと思っていた舞台は幾度となく公演中止になったし、延期にもなった。

せっかく当選して楽しみにしていた映画の舞台挨拶も無観客になった。

悔しい思いをいっぱいした。

でも、だがしかし、おかげで今まで観たいがチケットが取れなかった舞台がストリーミング配信されることになったのだ。

TEAM NACS第17回公演!

いつもろくに宣伝がないにも関わらず、チケット即完売。以前、当日券を求めて開演3時間以上前にも並んだにも関わらず既に長蛇の列。

あんなに当日券に並んでいる公演を見たのはTEAM NACSが初めてだ。甘かった。公演は諦めた。

今回、生の舞台、映画館でのLIVE配信もあったが、そちらは即完売。

でも配信は人数制限がない!購入したら期間内に閲覧するだけ。しかもアーカイブもあるから期間中なんどでも視聴できる。

なんと!素晴らしい!

コロナが収束しても、チケットが取れない舞台はぜひ配信して欲しいものだ。

舞台は絶対生が良い。生で見るからこそ舞台なのだ。でもめちゃくちゃ舞台が遠い安い席や、チケットが手に入らないのであれば配信がいい!

 

さて、舞台を視聴した感想は、流石芸達者な5人衆。全員が男性役と女性役を演じ、計10人の役所。

特に安田顕さんが素晴らしく。劇中、大泉さん演じる男性役と安田さん演じる女性役は良い感じになるのだが、全く違和感を感じさせない。

男性が女性を演じるのはコメディよりになってしまうが、安田さんは最初の佇まいから既に女性そのもの。

他の4人の女性役はコメディに振っているが、その振りが大きいので余計安田さんの女性役が引き立つ。

相手役の大泉さんもしかり。女性としてきちんと安田さんと向き合っているからシリアスな場面や感傷的なシーンも成立してしまう。

だからと言って重苦しいのではなく、コメディとしての要素はキチンと残っているのだから、その技量と塩梅には思わず唸ってしまう。

長年、チームを組んでいたからこその阿吽の呼吸で舞台が成立しているのも素晴らしい。

あんな風に息を吐くようにセリフが言えたらどんなに幸せか。

・・・と思いながら、またどこかで面白い舞台はないものかと情報を収集する・・・

外山博美

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