土方博之
2026.03.11
風変わりなコンサート
音楽家も俳優も同じだ!、なんて感じたコンサートだった。コンサートのテーマは、『音楽大学に入った。しかし、現実と理想はあまりにもかけ離れている世界だった…音楽家として必要な素養と、音楽家として生きていくために必要な技術を身につけるために、優秀な学生が選抜され、切磋琢磨していく様子を追うことができる新感覚のコンサート』このお題に引き寄せられて向かった。
オーディションを勝ち抜いてきた学生がプロオーケストラの中に入って演奏する。またオーケストラを従えての協奏曲でソロ演奏も実施し、その場その場で、指導者から指摘のコメントをもらいながら繰り返し演奏を実施するワークショップ形式で行われた。主な指摘は、他のオーケストラ団員との一体感やお客さんとの関わり方だった。さすがにオーディションを勝ち抜いてきた優秀な音大生なので個人技は秀でていると感じた。だが、プロの演奏家から見ると共演者やお客さんとの「音での会話」が不足しているとの指摘だ。
これは、舞台活動や俳優としての活動も同じだと思った。いつもレッスンで指摘されている、「相手の言葉やしぐさを受けて、その反応を返すキャッチボールをすること」「台本に書いてあることを自分の中で処理して作ってはダメ」そんなことが思い浮かんだ。「楽譜を自分の解釈で演奏するだけではダメ」そんな風に言われていると感じた。
音楽も芝居も同じだ。個人の表現の技術をまわりに溶け込ませるようにすることで、滑らかに、自然に感じられるということだろう。
もうひとつ、指揮者が学生に質問した、「周りに自分の意思を伝えるために一番効果的なことは何だと思う?」そう質問されて、学生が答えに困っていると、「時間(タイミングや間)と音量のどちらが効果的だと思う?」と問い直した。すると学生は、時間と答えたが、指揮者は音量だと言った。こんな場面も気に留まった。
土方博之
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