2021.06.29

映画「ノマドランド」

キャストパワーネクスト所属の加藤明美です。

映画「ノマドランド」を観ました。今年度米国アカデミー賞３部門を受賞した作品です。

クロエ・ジャオ監督　フランシス・マクドーマンド主演　　原作は2017年にジェシカ・ブルーダーが著したノンフィクション。

主人公”ファーン”はネバダ州のエンパイアという町で教員をしていたが工場閉鎖の影響で彼女の住んでいた「町」が消え、家を手放さざるを得なくなった。夫にも先立たれひとりぼっちの彼女は最低限の家財道具だけを車に積み、放浪の旅を続ける・・・。このお話はノンフィクションが原作なので、映画の中には本物の「ノマド」の人々がたくさん出演しています。

2008年アメリカ大手証券会社の破綻に端を発した経済危機により米国の多くの高齢者が家を手放すことになりました。”世界一お金持ちの国”アメリカ合衆国の国民でありながら、家も仕事も十分な蓄えもなく、一度病にかかればまともな病院での治療さえままならない、そんな境遇で全米各地を放浪することを余儀なくされている高齢者の多さに、驚かされます。

それでもこの映画が、暗く陰鬱にならず、どこか清々しささえ感じるのは、主人公を演じているフランシス・マクドーマンの演技力によるものではないかと思います。

日本でも昨今経済格差が問題視されています。どうしたら解決できるのか？まだ、誰にもわからないのでしょうね・・・。